時間がわからない話 201014[sasagawa]
自慢じゃないが、時計が読めない。
アナログ時計はパッと見時間がわからない、デジタル時計では経過時間がわからない みたいな一般的な話ももちろんだが(もちろんでない皆さんはすごい)、時間そのものにあまりなじみがなく、時間感覚が本当に全くない。
特に逆算して生活することがとにかく苦手だ。逆算が出来ないと所要時間がわからない。所要時間がわからないとめちゃくちゃ遅刻する。数字の四則計算はできるのだが、あの円形の時計盤を連想した瞬間意味が分からなくなる。
というのも、僕は数字を数直線で捉えているので「数字」として処理したいのだが、時間は60進法なので単純な増減では表せない。デジタル時計を連想すると右と左は分けて考えないといけない。時間には時間と分があり、しかも秒もある。
僕はその場合毎回(無意識下で)「ああ、これは時計だから60進法で考えないといけないな」という思考経路を経ないと満足ができなくて、毎回それを無駄に経由している。
(脳にショートカットキーがない、ショートカットキーがない脳使っている人はまじで困っていると思う)
そうすると脳に時計盤が浮かぶ。時計盤は時間を計算するのに最適な形なのでここまでは便利な時もあるが、時計盤は当たり前だが1周を超えた分を記録しておくことができない。最悪だ。
時計は数字が多すぎるのでこの時点でかなり混乱している。
例えば17時45分に今から1時間45分かけて電車に乗りたいとする。この時点で自分はまあだいたい19時にはつくかな?と咄嗟に思う。聡明な皆さんにはわかると思うが、つかないのだ。
19時につかないと気づいた次の瞬間みなはどうするだろうか。
正解は時間を計算する、だが僕は次の瞬間「あー嫌だな…」と思う。1時間を超えると時計盤上で意味が分からなくなり最悪に嫌な気持ちになる。というか想定時間より時間がかかるのは嫌なのだ。その想定時間に全くの根拠がなくとも。
僕は1時間を超える予定については時計盤とは別にタイムスケールバーを脳内で展開して、1時間ごとに所要時間を認識するので(1時間より大幅に超えるということはだいたい2時間ぐらいか・・・ということは20時ぐらいかな…?)とおもう。
ここで待ち合わせ相手に「20時につきまーす」と連絡する。
(ちなみに20時15分着は僕にとって20時過ぎだし、23分ぐらいは20時過ぎなのだが、28分ならその後20時45分ぐらいまでは20時半だ。しかし社会では到着連絡の時、20時15分になるなら相手には20時ではなく20時半と伝えなければいけない。)
その後しぶしぶ電車に乗る。しかしその電車に乗る時間は実際18時を過ぎる。
駅まではだいたい8分~15分かかり、到着して待つ時間*1があるのだが、僕はその空白の時間を認識できない。ホームに電車が到着して改札を出るまでの5分前後の時間、目的地までの10分も認識できない。トイレに寄る時間も度外視してしまう。頭にあるのは乗換案内や駅の表示で確認できる電車の到着時間だけなのだ。当然到着時間は20時半くらいになってくるのだが20時で連絡送った当人はそこにはまだ気づいていない。これにより30分前後の遅刻をする。
以上が「遅れます」連絡の後の30分遅刻の真相だ。
遅刻のメカニズムは理解している。だからどうだというのだ。ぼくは毎回新鮮な気持ちで間に合わない!?と焦り、吐きそうな気持ちで電車に乗り、20時に着きます…ごめん…と送りながら20時半に着くのだ。それは変わらない。
ここまで読んでいてわかると思うが、僕は丼勘定が常だ。*2
上の文章も丼勘定で書いた。17時45分に現在地を出発し、1時間45分電車に乗って実際何時に電車に乗れるのか全くわからん。本当に20時半について30分の遅刻で済むかもわからん。誰か教えてくれ。おわりだ。
これら思考プロセスによって脳裡で時計盤が無限発生し、結果として意味のないバラバラの文字盤が脳内でプカプカ浮かび、邪魔な文字盤を避けながら思考をする必要があり、抵抗むなしくタイタニックは思考の海で座礁する。一日に2つの予定を済ます、なんてあきらめてしまいがちだ。
ぼくは再度一時間区切りのスケールバーを脳内に引っ張り出す。時計盤は思い出さないほうがいい。どうせ1時間45分を2時間と見積もったときの15分は結局空費してしまうだろう。
ちなみに待ち合わせ場所に付くまでの間、現実世界の時計はなにも確認していない。実際は30秒おきにスマホの時計を確認しているが、なにもわかっていない。
そんな自分でも、アナログ時計はにらみつけていると拡張現実みたいに経過時間を5分間隔で直感的に認識して計算できるので便利と感じる。つまり、時計について、針は要らないので12分割されている丸い板がほしい。いやまぁ、針がついているに越したことはないか。
[sasagawa]